ベーシックなデザインのクルーネックスウェットを現代のスタンダードともいえるオーバーサイズに仕立てた一着。そうしたビッグシルエットを活かすのが、極限まで度目を詰めたタフな生地。適度な硬さがあり、しっかりとふくらんだシルエットを作ります。
丸胴で脇に縫い目がないのに加え、後ろ身頃の着丈はやや長めに設定しているのもポイント。羽織ったときにふわりと軽やかなラインが生まれ、横や後ろから見た姿も美しく引き立てます。 【material】 吊り編み機の特徴を最も活かせるのが裏毛です。吊り機とはへら針という、機械に固定された、この編み機独特の針を用いて糸を過度に引っ張らずに一コース一コースゆっくりと編み、編み上がった後も生地を強制的に巻き上げず、生地の重みで下に垂らしたままにします。また、中糸のテンションを緩くすることでふんわりと膨らんだ生地を編むことが出来ます。その一方、吊り編み機のもう一つの特徴である設定の自由度の高さを活かしてしっかりと度目を詰めた生地も作れます。この生地は、吊り機で編めるほぼ最大限まで度目を詰めて編んだ裏毛です。ぎゅっと詰まった、まるでワークウェアのようなタフさがあり、着用時にはしっかりとシルエットが出ます。しかし、吊り機による膨らみ感と柔軟さを感じられる仕上がりです。さらに表、中、裏糸の全てに超長綿を使用しているのも特徴です。使ったのは30番のオーガニックピマコットン・コンパクトヤーン。通常、吊裏毛を含めたスウェット地は、表・中には30番程度、裏に6~10番の糸を使います。この程度の番手には繊維長が必要ないので中~長繊維綿が使われます。その多くはカード糸で、表にコーマ糸を使えばかなり上質な部類です。しかし、そういう糸だとどうしても繊維の短さや前工程不足による毛羽立ちやピリングが発生しやすくなります(アメカジ的なものならそれも魅力の一つと言えるのでしょうが…)。一方全てに超長綿コンパクト糸を使ったこの生地は毛羽やピリングが少なく光沢感が長持ちします。機械の特徴と糸の良さで、吊り裏毛の良さをアップデートしたMARKAWAREの定番生地です。